認知発達に応じた個別支援の重要性 | 大阪市の療育なら療育ルームまるる | コラム

認知発達段階に応じた支援方法は、療育において非常に重要な要素です。個々の子どもの認知発達段階に合わせた適切な支援を提供することで、子どもたちは自己肯定感を高め、自己成長につなげることができます。

まず、認知発達段階の評価を行い、子どもの現在の認知能力を把握します。その上で、その子が少し頑張ればできる領域（発達の最近接領域）へアプローチすることが重要です。

お子様の様子をよく見ていると、うまくいかなくても何度もチャレンジしようとしたり、集中して繰り返し取り組んでいたりすることがあるかと思います。その活動こそが今お子様が求めているものなのです。モンテッソーリ教育でいう敏感期にあたる活動です。大人はやり方を教えてあげるだけで、後はお子様自身が満足いくまで出来るように見守ってあげます。

しかしながら、お子様が興味のあることとはいえ、社会的に認めにくい行為には適切な対応が必要です。たとえば穴があると何かを入れたくなってしまうお子様で、パイプや鍵穴などに物を詰めてしまうことがある場合にはとても困りますよね。そのような時にはタッパーに穴をあけて切ったストローや大きめのビーズやおはじきなどを入れる教具を作ってあげたり、棒さしやひも通しの活動を教えてあげると良いです。本人の求めている活動を周囲からも認められる方法で保障してあげることが周りの大人の役割です。

お子様の発達は触ったり操作することで変化することを楽しむ段階から、次第に見たり聞いたりしたものの情報から理解できるようになり、さらには目の前にないものでもイメージできるようになっていきます。その道筋の中で物に名前があることに気が付き、言葉を獲得し、目の前にないものでも思い浮かべることができるように表象機能を獲得していきます。

どの段階もとても大切で、それぞれの段階を充実したものにできるようにじっくりと活動を保障していく中で子どもたちは次の段階へとステップアップしていくことができたり、持っている力を様々な場面で活かすことができるようになっていきます。

認知発達に応じた個別支援は、子どもたちの発達を促すための重要な手段です。そのため、ご家族や専門の療育施設での情報共有や発達支援はもちろんですが、保育園・幼稚園や教育機関など子どもたちを取り巻く環境を整えていけるように連携して、個別のニーズに対応することが求められます。

療育の中で子どもたちの認知発達段階に合わせた適切な支援が行われることで、子どもたちは自己肯定感を持ち、自己成長を遂げることができます。その結果、子どもたちは社会での生活や学習において、より積極的に参加し、自立した人間として生きていくことができるのです。